トマトを育てていると、「脇芽は取ったほうがいい」とよく聞きます。
でも実際には、取らないとどうなるのかよくわからないまま育てている人も多いのではないでしょうか。

脇芽を放置しても、すぐに枯れるわけではありません。むしろ元気に見えることもあります。ですが、そのままにしておくと、株の広がり方や実のつき方が変わり、管理しにくくなることがあります。

この記事では、トマトの脇芽を取らないとどうなるのかをわかりやすく解説します。脇芽かきが必要とされる理由や、取らなくてもよいケースまでまとめました。

トマトの脇芽とは?

脇芽とは、主枝と葉のつけ根から新しく伸びてくる芽のことです。

トマトは生育が旺盛なので、放っておくと次々に脇芽が出てきます。この脇芽もそのまま伸びれば枝になり、葉が増え、花がつき、やがて実もつきます。

つまり、脇芽は不要なものではなく、放置するともう1本の枝のように育つ部分です。
そのため、取らないこと自体が間違いというより、どう育てたいかによって扱いが変わると考えるとわかりやすいです。

トマトの脇芽を取らないとどうなる?

脇芽を取らないと、トマトは全体的に枝数が増えてこんもりした株になります。
見た目には元気そうですが、そのぶん管理面でいくつか変化が出てきます。

1. 枝葉が増えて株が込み合いやすくなる

脇芽を放置すると、主枝のほかに横からもどんどん枝が伸びます。
その結果、葉が茂って株の内側が込み合いやすくなります。

枝葉が増えると、一見よく育っているように見えますが、風通しが悪くなりやすく、雨のあとや湿気の多い時期に蒸れやすくなります。家庭菜園では、手入れのしやすさも考えると、枝が増えすぎる状態は扱いにくくなりがちです。

2. 栄養が分散しやすくなる

脇芽も伸びれば葉や花をつけるため、株の力は主枝だけでなく脇芽にも使われます。
すると、1本仕立てに比べて栄養が分散しやすくなります。

その結果として、実の大きさや揃い方に違いが出ることがあります。
実の数は増えても、1つ1つに回る力が分かれるため、管理のしかたによっては収穫の質が安定しにくくなります。

3. 実は増えることがあるが、管理が難しくなる

脇芽を取らないと枝が増えるため、花房の数も増えやすくなります。
そのため、実の数そのものは増えることがあります。

ただし、実が増えることと、育てやすいことは別です。
支柱が足りなくなったり、枝が倒れやすくなったり、どこを残してどこを整理するかがわかりにくくなったりして、初心者ほど管理が難しく感じやすくなります。

4. 風通しが悪くなり、病気のリスクが上がりやすい

脇芽を放置して葉が密になると、株の内側に湿気がこもりやすくなります。
トマトは枝葉が込み合うと、葉が乾きにくくなり、病気の原因につながることがあります。

特に梅雨時期や雨の多い時期は、葉と葉が重なって蒸れやすくなるため、脇芽を整理した株よりも状態管理が難しくなることがあります。

5. 収穫や手入れがしにくくなる

枝が増えすぎると、どこに実がついているか見えにくくなります。
収穫のときに奥の実を見落としたり、葉をかき分けないと届かなかったりすることもあります。

また、水やり、誘引、支柱への固定、傷んだ葉の確認などもやりにくくなります。
家庭菜園では、単に育つかどうかだけでなく、手入れしやすいかどうかもかなり大切です。

脇芽を取るのはなぜ?

トマトの脇芽を取るのは、株を弱らせるためではありません。
育てやすくして、実つきや管理を安定させるためです。

特に一般的な大玉トマトや中玉トマトでは、主枝を1本決めて育てる「1本仕立て」がよく行われます。こうすると、枝数が増えすぎず、支柱にまとめやすく、風通しも保ちやすくなります。

脇芽かきには、主に次のような意味があります。

  • 株を整理しやすくする
  • 風通しを確保しやすくする
  • 栄養の流れをわかりやすくする
  • 支柱や誘引の管理をしやすくする
  • 実の肥大や収穫の見通しを立てやすくする

つまり、脇芽かきは「絶対にやらないと育たない作業」ではなく、栽培をシンプルにするための作業と考えると理解しやすいです。

脇芽を取らなくても育つの?

結論からいうと、脇芽を取らなくてもトマトは育ちます
脇芽にも花がつき、実がなることはあります。

ただし、放任に近い育て方では、株がかなり広がりやすくなります。
庭に十分なスペースがある場合や、多少見た目が乱れてもかまわない場合は、そのまま育てることもできます。

一方で、プランター栽培や狭い場所では、脇芽を取らないと窮屈になりやすく、支柱管理もしづらくなります。限られたスペースでは、脇芽かきをしたほうが扱いやすいことが多いです。

脇芽を取らないほうがいいケースはある?

場合によっては、脇芽をすべて取らずに育てることもあります。

ミニトマトは脇芽を少し残す育て方もある

ミニトマトは比較的枝数が増えても実つきを楽しみやすいため、2本仕立てや3本仕立てのように、脇芽を一部残して育てることがあります。

この場合は、すべて放置するのではなく、残す枝を決めて育てるのが基本です。
無制限に脇芽を伸ばすのではなく、管理できる本数に絞ることで、収穫量と育てやすさのバランスを取りやすくなります。

主枝が傷んだときの予備として残すこともある

主枝が折れたり、傷んだりした場合に備えて、下のほうの脇芽を1本残しておくことがあります。
こうすると、万一主枝にトラブルが出ても、代わりの枝として育てやすくなります。

初心者の場合は、全部きれいに取ろうとするより、様子を見ながら必要な脇芽だけ残すくらいのほうが安心なこともあります。

脇芽を放置すると実は甘くならない?

脇芽を取らないからといって、必ず甘くならないとは言い切れません。
ただ、枝葉や実が増えすぎると、株全体のバランスが変わり、実の揃いや育ち方に差が出やすくなることはあります。

トマトの甘さは、脇芽だけで決まるわけではありません。
日当たり、水分、肥料、品種、収穫時期なども大きく関係します。

そのため、「脇芽を取らないと甘くならない」と単純に考えるより、脇芽を整理したほうが管理しやすく、結果的に状態を整えやすいと考えるほうが自然です。

初心者は脇芽を取ったほうがいい?

初心者なら、基本的には脇芽を取って育てたほうがわかりやすいです。

理由は、どの枝を伸ばすかが明確になり、支柱への誘引もしやすくなるからです。
葉が込み合いにくいため、見た目にも変化を追いやすく、手入れの失敗も減らしやすくなります。

特に大玉トマトや中玉トマトでは、1本仕立てに近い形で育てたほうが管理しやすいです。ミニトマトでも、最初は脇芽を整理しながら育てたほうが、株の形をつかみやすいでしょう。

脇芽を取らないで育てるなら気をつけたいこと

脇芽をあえて残して育てるなら、完全放置にしないことが大切です。

  • 枝が増えすぎていないか確認する
  • 支柱や誘引を追加する
  • 葉が混み合ったら整理する
  • 風通しを意識する
  • 実のつきすぎで株が弱っていないか見る

脇芽を残す育て方は不可能ではありませんが、放置するだけだとまとまりにくくなります。
「残すなら残すで、管理のしかたを決める」ことが大切です。

まとめ

トマトの脇芽を取らないと、枝葉が増えて株が込み合いやすくなり、栄養が分散しやすくなります。実の数が増えることはありますが、そのぶん風通しが悪くなったり、支柱や収穫の管理が難しくなったりすることがあります。

つまり、脇芽を取らないと育たないわけではありません。
ただし、家庭菜園で育てやすくするなら、脇芽を整理したほうが扱いやすいというのが基本です。

初心者なら、まずは脇芽を取りながら1本仕立てに近い形で育てる。
それが、トマト栽培をわかりやすく続けるコツです。

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