
じゃがいもを育てていると、「土寄せって本当に必要なの?」と迷うことがありますよね。植え付けや水やりはしていても、土を株元に寄せる作業は少し地味。つい後回しにしてしまう方も多いと思います。
でも、土寄せをしないまま収穫前を迎えると、いもが土の外に出てしまうことがあります。日光に当たったじゃがいもは緑色になり、見た目だけでなく食用に向かない状態になることもあるんです。
この記事では、じゃがいもに土寄せが必要な理由、よくある失敗例、適切なタイミングと方法をまとめます。マルチ栽培で土寄せを省く場合の注意点も紹介しますので、ぜひ最後まで確認してくださいね。
じゃがいもの土寄せとは?まず知っておきたい基礎知識
土寄せは株元に土を集める作業
土寄せとは、畝の周囲にある土を、じゃがいもの株元へ寄せる作業です。鍬や移植ゴテを使い、茎の根元を軽く覆うように土を盛っていきます。
じゃがいもは、地中の根だけでなく、茎の地下部分にも「塊茎」と呼ばれるいもをつくります。いもは土の中で育つため、株元の土が少ないと、成長したいもが地表近くに現れやすくなるんです。
土寄せにはいくつもの役割がある
土寄せの一番大きな目的は、いもに日光を当てないことです。土でしっかり覆っておけば、地表に出たいもを守りながら、適度なスペースで肥大させられます。
さらに、株元を支える役割もあります。葉や茎が大きくなって倒れそうなとき、根元に土があると株が安定しやすくなります。雨で土が流れた場合の補修にもなりますよ。
土寄せをしないと「いもができない」の?
土寄せをしなかったからといって、必ずいもができなくなるわけではありません。じゃがいもは、条件が合えば土寄せをしなくても塊茎をつくります。
ただし、いもが地表に出やすくなり、緑化や傷みにつながる可能性は高まります。収穫量や品質を安定させるための大切な管理作業、と考えると分かりやすいですね。
土寄せをしないとどうなる?よくある失敗例
いもが日光に当たり緑色になる
土寄せをしない場合に最も注意したいのが、じゃがいもの緑化です。いもが土の表面に顔を出すと、日光を受けた部分が緑色に変わっていきます。
緑色になるのは、単なる見た目の変化ではありません。じゃがいもの芽や緑化した部分には、ソラニンやチャコニンなどの天然毒素が多く含まれるとされています。
食味が落ち、食用に向かなくなることも
緑化したじゃがいもは、苦みやえぐみを感じやすくなります。皮の近くだけがうっすら緑色に見える場合もありますが、加熱すれば必ず安心できるとは限りません。
緑色が広がっているもの、苦みがあるもの、芽が多く出ているものは食べないほうが安全です。小さな緑色に見えても、無理に食べようとせず、状態をよく確認してくださいね。
株が倒れたり、いもが傷ついたりする
土寄せをしないと、茎の根元がぐらつきやすくなります。葉が茂って重くなった株や、強い風を受けた株は、倒れて地面に広がってしまうこともあります。
また、いもが地表近くに集中すると、雨で土が流れたときに露出しやすくなります。収穫時に表面が傷ついたり、乾燥して形が悪くなったりするケースもあるんです。
じゃがいもの土寄せはいつ?失敗しにくい手順
1回目は草丈が15cm前後のころ
最初の土寄せは、じゃがいもの草丈が15cm前後になったころが目安です。株元の土を両側から寄せ、茎の下部が隠れる程度に、5cmほど土を足します。
一度に大量の土をかぶせるより、株の成長に合わせて少しずつ行うほうが失敗しにくいですよ。葉を埋めすぎると光合成を妨げるため、葉先まで覆わないようにしましょう。
2回目は株の成長を見て行う
1回目の土寄せからしばらくたち、株がさらに伸びてきたら、もう一度土を寄せます。目安は、土が流れたときや、いもが見えそうになったときです。
畝の高さが保たれていて、いもが露出していなければ、何度も土を盛る必要はありません。回数を決めて機械的に行うより、株元と畝の状態を見ることが大切です。
作業するときのコツと注意点
土寄せは、土が極端に湿っていない日に行いましょう。雨上がりで土がべたついていると、土の中が固まりやすく、根や茎を傷める原因になります。
鍬を深く入れすぎると、地下にできた小さないもを切ってしまうことがあります。株から少し離れた場所の土を浅く崩し、茎を押さえつけないように寄せるのがポイントです。
土寄せを省く方法と、うまくいかないときの対策
黒マルチなら土寄せを減らせる
黒いマルチで畝を覆い、いもに日光が当たらないようにする方法もあります。マルチ栽培では、基本的に土寄せや中耕の回数を減らせるため、作業を楽にしやすいんです。
ただし、マルチを使えば完全に放置できるわけではありません。風でフィルムがめくれたり、植え穴から茎やいもが出たりすると、そこから日光が入り込みます。
マルチ栽培でも露出したら軽く補修
いもが地表付近に見えている場合は、マルチの上から土を足す、または植え穴の周囲に土を寄せるなどして、光を遮ります。フィルムを無理に押さえつけて、茎を折らないように注意してください。
マルチの裾が浮いているときは、土や石などでしっかり押さえます。畝の端から光が入り、いもが緑化することもありますので、株元だけでなく畝全体を見ておくと安心です。
土寄せが間に合わなかった場合
収穫前にいもが露出しているのを見つけたら、できるだけ早く土で覆います。すでに緑色になっている部分は元に戻りませんが、これ以上の緑化を防ぐことはできます。
収穫後は、いもを一つずつ確認しましょう。緑色が広いものや苦みのあるものは食べず、傷んだ部分だけを取り除けばよいと簡単に判断しないことが大切です。
じゃがいもの土寄せに関するよくある質問
Q1. 土寄せは何回すればよいですか?
一般的には、草丈が15cm前後のころに1回、その後の成長や土の状態を見てもう1回行います。ただし、雨で土が流れた場合や、いもが露出しそうな場合は、必要に応じて追加してください。
反対に、土が十分にあり、いもが見えていなければ、回数にこだわらなくても大丈夫です。大切なのは、いもに日光を当てないことですよ。
Q2. 土寄せで茎を埋めても問題ありませんか?
茎の下部を土で覆う程度なら問題ありません。株を支え、地下部分にいもができる場所を確保する効果も期待できます。
ただし、葉まで深く埋めたり、株全体を一気に覆ったりするのは避けましょう。葉が十分に光を受けられるよう、成長点や葉先は土の上に残してください。
Q3. 緑色のじゃがいもは、皮を厚くむけば食べられますか?
緑化の程度が軽く見えても、毒素がどの範囲に含まれているかは外見だけでは判断しにくいものです。特に緑色が広いもの、苦みがあるもの、芽が多いものは食べないようにしましょう。
家庭菜園では、緑化させない管理が何より大切です。土寄せやマルチで光を遮り、収穫後も明るい場所に置かないようにしてください。
じゃがいもの土寄せは、単に見た目を整える作業ではありません。いもを日光から守り、株を安定させ、収穫物の品質を保つための大切なひと手間なんです。
まずは草丈15cm前後を目安に1回目の土寄せを行い、その後はいもが露出していないかを確認してみましょう。黒マルチを使う場合も、隙間やめくれがないかを見ておくと安心ですよ。

