
家庭菜園のいちごを見て、「あれ、葉に穴が開いている」と気づくことがあります。小さな穴が数個だけなら様子を見たくなりますが、翌日には穴が増えていた……というケースも少なくありません。
葉の穴は、害虫の食害だけが原因とは限らないんです。病気や植え付け時の傷、葉の生育にともなう裂け目など、見分けにくい原因もあります。この記事では、穴の形から原因を探り、家庭菜園で実践しやすい対策と予防法まで、順番に解説します。
いちごの葉に穴が開く主な原因と見分け方
まず確認したいのは「穴の形」と「増え方」
いちごの葉に開いた穴が不規則で、葉の縁から内側へ食べ進んだように見えるなら、害虫による食害が疑われます。穴の周りに食べかすや黒っぽいフンがあれば、さらに可能性は高くなります。
一方、丸い斑点の中心が抜けたような穴なら、病気による葉の傷みかもしれません。最初は褐色や灰色の斑点として現れ、進行すると中央部分が破れて穴になることがあります。
葉の傷が成長して穴に見えることも
植え付けのときに葉をこすったり、強い風で葉同士が擦れたりすると、小さな傷ができます。その傷が葉の成長に合わせて広がり、あとから穴のように見えるケースもあるんです。
この場合、穴が急に増えることはあまりありません。新しい食害が見つからず、株全体が元気で、新葉にも異常がないなら、過去の傷が原因の可能性も考えてよいでしょう。
被害が広がるなら早めの確認を
昨日より穴が増えている、葉脈だけを残して葉が網目状になっている、つぼみや果実にも傷がある。このような状態なら、原因の虫が株の近くに潜んでいるかもしれません。
昼間に見つからなくても、安心はできません。害虫によっては日中に土の表面や株元へ隠れ、夜になると葉へ移動します。穴の数だけでなく、被害のスピードにも注目してください。
害虫による食害を疑うときのチェックポイント
ヨトウムシは夜に活動しやすい害虫
いちごの葉に不規則な穴を開ける害虫として、まず確認したいのがヨトウムシです。幼虫は夜間に葉を食べ、昼間は株元や土の中、鉢の縁などに隠れていることがあります。
夜に懐中電灯で葉の裏や株元を照らすと、幼虫が見つかる場合があります。小さいうちは見逃しやすいものの、放っておくと食害の範囲が急に広がることもあるため、早期発見が大切です。
コガネムシ類は葉の縁を食べることが多い
葉の外側から、ギザギザと欠けたように食べられているなら、コガネムシ類の成虫も候補になります。日中に飛来することがあり、葉の上に虫がいないか目で確認しやすいタイプです。
ただし、葉の縁だけでなく葉の中央まで不規則に食べられているなら、別の害虫の可能性もあります。虫の姿を見つけたら、色や大きさ、動く時間帯も一緒に記録しておくと判断しやすくなります。
ナメクジやバッタにも注意
湿った場所で育てているいちごでは、ナメクジによる食害にも注意が必要です。葉だけでなく、赤くなった果実をかじることもあり、光沢のある粘液の跡が残る場合があります。
バッタは葉を大きくかじり取ることがあり、ベランダや庭で周囲の草が多いと侵入しやすくなります。原因が一種類とは限らないので、穴の形だけで決めつけず、葉裏・株元・鉢の下まで確認しましょう。
葉の穴を見つけたときの害虫対策
最初は手で取り除くのが基本
害虫や卵を見つけたら、まずは手で取り除きます。被害葉の裏、葉柄の付け根、株元の土を丁寧に見て、見つけた虫は袋などに入れて処分してください。
葉をめくるときは、いちごの株を強く引っ張らないこと。根が傷むと、その後の生育に影響するため、茎や葉柄を支えながらゆっくり確認します。
被害葉は切り取るべき?
穴が少しあるだけで、葉が緑色を保っているなら、すぐに全部切り取る必要はありません。葉は光合成を担っているため、元気な部分まで取り除くと株の負担になることがあります。
食害が大きく、葉脈だけになっている葉や、病斑が広がっている葉は、清潔なハサミで株元から切り取ります。切った葉は株元に放置せず、袋に入れて処分しましょう。
薬剤を使うときに確認したいこと
被害が広がり、手での捕殺だけでは追いつかない場合は、いちごに使用できる家庭園芸用の薬剤を検討します。商品によって対象害虫や使用回数、収穫前の使用期限が異なるため、必ず容器のラベルを確認してください。
「野菜に使える」と書いてあっても、いちごが対象に含まれるとは限りません。収穫中の株では、使用できる作物名と希釈方法、散布後に収穫できるまでの日数を確認することが重要です。
いちごを元気に育てる予防法と日々の管理
週に一度は葉の表裏を観察する
害虫対策は、被害が出てから慌てるより、早めに見つけるほうが簡単です。週に一度を目安に、葉の表だけでなく裏側、葉柄の付け根、株元を確認しましょう。
夜行性の害虫が気になる時期は、夜に短時間だけ見回るのも効果的です。毎日でなくても、穴の増え方を確認するだけで、発生の初期に気づきやすくなります。
雑草や落ち葉をためない
株の周囲に雑草や落ち葉が多いと、害虫の隠れ場所になりやすくなります。いちごの葉を傷めないよう注意しながら、株元をすっきり整えておきましょう。
プランター栽培では、鉢の下や受け皿も見落としがちな場所です。水がたまり続けるとナメクジなどが寄りやすくなるため、受け皿に残った水はこまめに捨て、風通しも確保します。
水やりと風通しを見直す
葉がいつも濡れている状態は、病気が発生しやすくなる一因です。水やりは葉の上から勢いよくかけるのではなく、土へゆっくり与えるのがおすすめです。
株同士が密集している場合は、古い葉や枯れた葉を整理し、空気が通るようにします。ただし、元気な葉を切りすぎるのは逆効果。必要な葉を残しながら、蒸れを減らすイメージです。
いちごの葉の穴に関するよくある質問
Q1. 葉に小さな穴が数個あるだけなら放置してもよいですか?
穴が増えず、虫やフンが見つからず、株も元気なら、すぐに大きな問題へつながらない場合があります。ただし、数日間は葉の枚数と穴の増え方を確認してください。
新しい穴が続けて開くなら、害虫が残っている可能性があります。葉裏や株元を調べ、見つけた虫を取り除きましょう。
Q2. ヨトウムシは昼間に見つけられますか?
見つけられることもありますが、昼間は株元や土の中へ隠れていることが多いとされています。葉に不規則な穴があり、昼間に虫が見つからない場合は、夜間の確認がおすすめです。
懐中電灯で葉の裏や土の表面を照らし、幼虫や食べた跡がないか見てみましょう。鉢の縁や底も、忘れずに確認してください。
Q3. 穴の開いた葉は全部切り取るべきですか?
穴が少なく葉が緑色なら、無理に切り取らなくても大丈夫です。葉の働きを保つため、被害が大きい葉や病斑が広がった葉だけを整理するのが基本です。
切り取ったあとは、株元に葉を置いたままにしないこと。害虫や病原菌の温床にならないよう、袋に入れて処分し、ハサミも清潔に保ちましょう。
まとめ|穴の形と時間帯を見れば原因が見えてくる
家庭菜園のいちごの葉に穴が開いたら、まずは穴の形、広がり方、葉裏や株元の様子を確認します。不規則な食害痕ならヨトウムシやコガネムシ類、湿った場所で粘液の跡があればナメクジなどが候補になります。
特に大切なのは、昼間だけでなく夜間も観察することです。見つけた害虫は早めに取り除き、被害葉を整理し、雑草や落ち葉をためない。この小さな積み重ねが、いちごを元気に育てる近道なんです。
薬剤を使う場合は、いちごに使用できる商品かどうかをラベルで確認してください。慌てて株全体を切り戻すのではなく、原因を確かめながら、できる対策から始めていきましょう。

